2009年4月3日金曜日

補聴器の店選び:その②

難聴患者:それからこれが一番重要なんですけど、デモ機の貸出期間もあらかじめ確認しておいた方がいいです。さっきも言いましたけど、補聴器を着けてしばらくすると必ず「ちょっとここをこうしてもらえませんか」というような所が出て来るんですね。その時にどれだけ対応してもらえるかがそのお店の善し悪しを分ける所だと思いますね。それと当然アフターケアをどの程度まで見てもらえるかでしょうね。

-:そんな事までしてもらえるんですか。でもそこまでしてもらうっていう事は価格的にも高い物になるんでしょうね。

難聴患者:そうですね。高いものはびっくりするくらい高いです。でもそれだけの価値もある物ができますね。

-:具体的にはいくら位なんですか?

難聴患者:2~30万円以上のものもあるし、もっと高いものだってありますよ。反対に安いものだと19,800円くらいでもあります。よく新聞雑誌の広告などで見かけますよね。

-:最近補聴器もデジタルの物があるって聞くんですけど、アナログとの違いって何ですか?
難聴患者:テレビでも最近デジタル物が出ているのでわかると思うんですけど、アナログテレビとハイビジョンのテレビって映像の鮮明さがまるで違うじゃないですか。それと同じで音質もアナログとデジタルの差は歴然としてあります。

-:そんなに違うんですか。

難聴患者:一旦デジタルの音を聞いてしまうともうアナログには戻れないです。それ位の差だと思ってもらっていいと思います。昔のアナログタイプだとどうしても日常の雑音も耳障りなくらいに入るし、「ピーピー」とか「シャーシャー」とかハウリングを起こしたりもします。その点デジタルはほとんどそういうこともなくて、クリアな音を再現してくれますね。

補聴器の店選び:その①

-:補聴器の店選びの件なんですけど、やっぱり実績を見て決めた方がいいということなんですか?
難聴患者:モノ選び、全てについて言えることなんですけど、そのお店の実績は当然買う基準の一つにはなると思いますね。それに加えてその店のスタッフの質、というか親切度みたいなものが補聴器選びにとっては重要ですね。そのためには医療機関からの紹介やすでに補聴器を買った人からの口コミが補聴器のお店選びの判断基準になると思います。

-:なるほど。

難聴患者:どうしても補聴器を買う人は高齢者が多いんで、お店の人の言いなりになって購入すると、家に戻って初めて家族に相談した時「なんでこんな物を買ってきたんだ」って言い争うこともあるって聞いた事があります。

-:本当ですか?

難聴患者:だってそうでしょう、高価な物なんですよ。片耳数十万円するものもザラにあるんですから。
-:そんなにするんですか?

難聴患者:それから本人としては納得して購入して戻っても、ちょっと使っているうちにすぐ調子が悪くなって、買ったお店に持って行くと「それはもう保証外ですから」なんて言われてしまって、泣き寝入りするしかなかったりっていう話はよく聞きますし。

-:そんないい加減な売り方もしてたりするんですか?

難聴患者:それは全部が全部じゃないと思いますけど中にはあるっていうことです。だからこそ、お店の信用、担当者の接客態度、資格の有無、アフターケアの程度や期間などをしっかりチェックして十分すぎるくらいの下調べはしておいた方がいいと思います。

補聴器は片耳か両耳か

-:補聴器っていうのは(装着するのは)片耳でいいんですか?

難聴患者:補聴器は基本的には両耳に補聴器を装着するのがいいみたいなんですけど、どうしても高価な物だし紛失や落下で壊れることも多いので、(片耳あれば)日常の生活には不自由しないっていう事で片耳だけ補聴器をしている人も多いです。

-:そうですよね、あまり両耳に補聴器している人って見ませんよね。

難聴患者:まあ、眼鏡と一緒なんで、人それぞれ右目と左目の視力が違ったりして、矯正の度合いも両目で違うことも多いと思うんですけど、自分の場合も左耳の方がずいぶん聞こえが悪いんで、イヤホンを両耳にするとどちらに音を合わせていいものか迷う事もあります。それと片耳だけに補聴器をする事で、装着していない方の耳からは日常の自然の音を拾うことができるので、それはそれで大事なことだと思いますね。

-:そうなんですね。

難聴患者:どうしても両耳が塞がれてしまうと、自分も経験あるんですけど、例えばヘッドホンしている人って周りの環境や雰囲気に全く左右されずに我が道を行くっていうか、ちっとも周りを気にしていないようで危ないじゃないですか。そういう状態って日常生活をしていく上でも不安だと思うんですよね。自然な感覚が無くなるというか。

-:なるほど。自分も眼鏡をしていて片目は乱視があるんですけど、悪い方の眼に眼鏡の度を合わせると、良い方の目も悪くなってしまいますからね。

難聴患者:そうでしょうね。

補聴器を選ぶコツ:その②

-:よく広告なんかでもオーダーメイド補聴器なんかが出ていますけど、それはどんな物なんですか?
難聴患者:さっきも言いましたように、オーダーメイド補聴器というのは、その人に合った物を作ることなんですけど「オーダーメイドだからあそこに行けば大丈夫」というものでもなくて、それは補聴器を使う本人が耳につけて納得できるかどうかで決まるのであって、あまり広告とかに惑わされない方がいいと思います。

-:そうですよね。

難聴患者:それから価格の面なんですけど、やっぱり安いのはそれなりも聞こえというかそれなりのアフターフォローしか受けられませんね。やっぱり高価な物はそれだけの信用とメンテナンスも受けられる場合が多いですね。

-:商品は何でもそうでしょうけどね。

難聴患者:特に補聴器については、本当に自分に合った物を、世界に一台しか作れないくらいの技術がある所で十分吟味・納得して買うことをお勧めします。ある一定期間試しに補聴器を付けさせてもらえるサービスはもう当たり前で、それでも必ずどこか自分の耳の穴にしっくりこないことの方が多いんで、不具合があった場合しっかり担当者に伝えて作り直してもらった方がいいです。やっぱり一年二年と着用していくとなにがしかの不具合が発生してくるのも補聴器としての宿命だと思いますし、その時いかにアフターフォローしてもらえるのかが、重要なポイントになってくると思います。

-:なるほど。

難聴患者:補聴器というのは年がら年中、起きているときはずっと身につけて、しかも耳の穴の中に装着している物なんで、動いている振動や人間の体温、耳の穴の中の状態によって補聴器の性能も狂ってくることが多いので、必ず定期的にメンテナンスしてくれるアフターフォローのいい所を選ぶ必要があるんです。

-:だからお医者さんとの連携のきいた信用のあるお店を選ぶことが大事なんですね。

難聴患者:そうですね。それができる所がいいお店です。

補聴器を選ぶコツ:その①

-:選ぶ基準みたいなものはあるんですか?

難聴患者:補聴器の形としては、「耳かけ式」「耳穴式」「ポケット型」というのがあります。まず「耳かけ式」なんですけど、これは少し形も大きくて、補聴器の本体を耳たぶに引っかけて、イヤホン部分を耳の穴に入れるタイプの事です。いかにも「私は補聴器をしてます」っていうのが周りの人にもわかりすぎるくらいわかりますね。

-:そんなに目立つ物なんですかね。

難聴患者:老人性難聴の方は別に見かけにはこだわらない人も多いんですけど、若年性で軽度難聴の人にとっては、あまり耳がよくないということは知られたくない場合が多いので、少し嫌がりますね、このタイプは。

-:ああ、そういえばわかります、年とった方に時々見られますよね。

難聴患者:耳かけ式と一緒でポケットタイプもそうなんですけど、周りから見れば「この人耳が悪いん」だって一見してすぐわかるんで、人によっては大きな声で話してくれたりしてありがたいことはありがたいんですけど、でも反面それを付けているだけで障害者のように扱われるのが嫌で目立つのを嫌がる人もいます。これは確かですね。

-:「耳穴式」というのはどんなタイプなんですか?

難聴患者:これが今一番出回っている主流のタイプだと思うんですけど、これは耳の穴の中にスッポリ入ってくる形をしているんですけど、それだけ小さいとやっぱりお値段も高価にならざるを得ないんですよね。

-:その耳穴式っていうのは、耳の穴に完全に入ってしまって周りからは見えない物なんですか、それとも少しは出ていて見える物なんですか。

難聴患者:それは色々なタイプがの物が出てますよ。本体すべてが耳の穴の中に入るのもあれば、イヤホン部分だけ耳の穴に入って、それから細い細いコードが付いて、本体もすごく小さくて耳たぶの後ろに隠れてしまうタイプもあります。それは好みで選ぶのが良いでしょうね。

補聴器はどこで買う?

-:補聴器っていうのは一体どこで買う物なんですか?

難聴患者:今自分も色々探してはいる最中なんですけど、結局補聴器を買うのは眼鏡の場合と一緒です。眼鏡を買うときはまず眼科でいろいろ目の検査をしますよね、そして処方箋を書いてもらって、それを持って指定の眼鏡屋さんへ行って、そこでもまた目の検査をしてもらって、最終的にその人に合った眼鏡を買いますよね、それと一緒です。

-:眼鏡屋さんですか?

難聴患者:自分の知っている限りでは眼鏡屋さんで補聴器を売っているのは知ってます。たまに補聴器センターみたいな所もあるんですけど、やっぱり医療器具としての扱いで眼鏡屋さんで購入するのが無難でしょうね。

-:実は最近よくネットでいろいろ買い物をしているんですけども、補聴器をネットで買うっていうのはどうなんですか。ネットで買うと色々な物が安く買えますよね。

難聴患者:それはどうなんですかね。やっぱりその人に合った物を、専門家の説明を聞きながら納得して買うことが一番重要だと思うし、ネットでの購入はあまりお勧めしませんね。

-:そうなんですか。

難聴患者:それにネット上でもネット購入経験者の口コミとして「高額な補聴器を買ったのに、アフターフォローが充分してもらえなくて失敗した」っていう話もよくありますからね。補聴器で一番重要なのはやっぱり選び方なんで、最終的にはいかに自分に合った物を選ぶか、これに尽きると思いますね。

-:補聴器を医療器具として考えたら、やっぱりその方が無難かもしれないですね。

補聴器と集音器の違い

-:話は変わるんですけど集音器ってありますよね。あれって基本的に音を大きくするような物なんですか。

難聴患者:その事については(補聴器などに)詳しくない人から良く言われるんですけど、それは補聴器と集音器を一緒に考えているんだと思います。

-:(補聴器と集音器は)違うんですか?

難聴患者:基本的に違う物だと思ってもらった方がいいです。集音器っていうのは基本的に音を大きくするだけの物、僕も今使っていますけど、耳元スピーカーみたいなもんですね。

-:ああ、何となく雰囲気はわかります。

難聴患者:補聴器っていうのは、基本的に医療器具と思ってもらった方がいいでしょうね。だから眼鏡の度を合わせるのと一緒で、聴力を検査してもらってその人にあった聴力に合わせて補聴器を処方してもらうと考えた方がいいです。

-:ああなるほど。カスタマイズじゃないですけど、買ったお店で自分専用に調整してくれるっていうことですね。

難聴患者:そうですね。そのカスタマイズできるかどうかがそのお店のセールスポイントであり、補聴器の特性だと思います。ただ単に耳が悪いから、音が聞こえないから、だから音を大きくするだけでいいっていうのとは訳が違いますからね。音を大きくするだけだったら集音器でいいんであって、日常の音をその人の耳にあった音に調節する事が補聴器としての役割だと思います。

-:なるほど。確かに耳の聞こえ方って人それぞれ違うでしょうからね。

難聴患者:そういう事ですね。

補聴器の種類

-:補聴器に関してはどんなものがあるんですか?

難聴患者:自分も今みたいな難聴とか耳鳴りという症状が出てきてから、ずっと良い補聴器はないかと探してはいるんですけどね。

-:色々あるんですか?

難聴患者:色々、ほんと色々ありますね。「価格の安いのはやっぱり(程度が)それなりでよくない」とか「価格が高いのはやっぱりいいですよ」とか、いろいろ人によって感想も違います。

-:結構需要があるんですね。

難聴患者:人間として、「見える」「聞こえる」っていうのはやっぱり一番五感の中でも大事で、これが失われることが人間として一番ショックじゃないかと思うんですよね。だから目の場合はいろいろ、例えば白内障って手術すればまた見えるようになるじゃないですか。でも自分の調べた限りでは難聴はなかなか治らない。ましてや耳鳴りに至っては現代の医学では治らないと言われているし、それなら補聴器で少しでも聞こえが良くなるものならって普通思いますよね。

-:そうですね。

難聴患者:感音性難聴のように内耳の障害、または脳神経の障害で聞こえないというんだったら補聴器もあまり役に立たないのかもしれないんですけど、自分の様な伝音性難聴みたいに、中耳や外耳の障害でまだまだ聞こえている人間にとっては、少しでも良く聞こえるように、良い補聴器があれば欲しいと思いますよ。それに日進月歩で補聴器の性能も良くなっているので、少しでも感度のいい自分にあったものが出てくる来たらいいなって思ってます。

難聴に効く薬

-:難聴ですけど、薬で治る事って言うのはあるんですか?

難聴患者:炎症や事故なんかで耳が障害を受けた時なんかはステロイド点耳薬とかで治療もできるんでしょうけど、どうしても慢性的な病気となると治療用のトレーニングなんかは別として、薬としては今のところ治す薬はないと思った方がいいでしょうね。

-:そうなんですか。

難聴患者:それでも何か無いかと思って探してみると、蜂の子サプリなんかがあるしいです。

-:どんな効果があるんですか?

難聴患者:これにはクロロゲン酸という成分が含まれていまして、内耳の機能の改善し、血流改善や血圧降下作用もあり、有毒物質の無毒化や抗酸化作用もあると言われ、他にもキナ酸誘導体の働きやもあり、これらは神経突起の成長促進作用を促すと言われています。だから結局、漢方などの薬は、耳鳴りや難聴そのものを治すのではなくて、おおもとの身体の血流をよくしたり、神経の機能を高める作用を持つもので、それらがひいては耳鳴りや難聴を治していく可能性もあると言うことだと思います。
-:そのものではなく、体調などを改善するのが漢方なんでしょうね。

難聴患者:他にもイチョウ葉エキスにしても、血行を良くする、血栓を防ぐという作用から強いては耳鳴りなどを改善すると言われていますね。またアシタバとかもよく耳にするとは思うんですけども、これも老人性難聴や、脳神経の機能の回復に効果があるとも言われています。

-:いろいろあるんですね。

難聴患者:結局、難聴も耳鳴りも現代の医学では治らないんで、身体の調子を整えていく事が結果として耳鳴りや難聴を改善していくんだと思いますね。

ひどい言われよう:その②

難聴患者:普通に考えたら、人間として大人として「そこまで言う必要はないんじゃないの」って思いますけど、各メーカーとしてはこの会に参加したくてもできない中小メーカーだっているわけだし、このお手伝いに参加できるだけでもドクターに認めてもらっているメーカーの証でもあり名誉な事なんだから、もっと自覚を持ってお手伝いをやり遂げると言うぐらいの気迫も持つべきではあるとは思うんですけど、そこまで言われるとさすがにハタから見ててもその耳の悪い担当者に同情してしまいましたね。

-:そりゃ、自分だって同情しますね。

難聴患者:もっとその場の状況を説明するなら、各メーカーも、それぞれ得意分野とかの薬も違うんで、その時は仕切り役の担当者は中堅くらいのメーカーで、耳の悪い担当者のメーカーはその分野でもかなりのシェアを持っていて、一番大手のメーカーだったというのも、その仕切り役の怒りを買ったのかもしれないですね。

-:そうなんですか?

難聴患者:だってそうでしょう。いつもは大手のメーカーの薬ばっかり使われてるんで、中堅メーカーとしてはその薬のおかげで売り上げに苦しんでいるわけだし、隙あらばその薬と入れ替えてやろうと思っているわけですからね。そんないきさつもあって、大手メーカーっていうだけでお手伝いでも楽していると見られたのかもしれないですね。

-:それも一理ありますね。

難聴患者:耳の悪い自分としては決して人事じゃなくて、ちょっとその場に居づらくなりました。そんなこともあって、それ以来自分もそういうお手伝いが結構苦手になってしまいましたね。

ひどい言われよう:その①

-:仕事で難聴のエピソードがあるっていう事なんですけど、一体どんな事なんですか?

難聴患者:自分が以前製薬会社の営業をしていた頃の話なんですけど、製薬会社ってのは定期的に医師会や学会のお手伝いをすることがあるんですよね。

-:そのお手伝いって聞いたことがありますよ。それをする事でドクターと仲良くなったり、薬の情報を掴んだりするんでしたよね。

難聴患者:まさにその通りなんですけどその話はちょっと置いといて、そのお手伝いをしている裏方での出来事だったんですけど。お手伝いをする前に各製薬メーカーが集まって「各社はどんな役割で、○○さんはどこ、○○さんはどこね」っていう感じで、まあどんな集まりであってもそうであるように、どこにでも仕切りたがる人っているじゃないですか。

-:そうそういますいます、必ずいますよね。

難聴患者:そのお手伝いの時もそんな状況で、5社くらいで話し合いをしていたんですけど、その仕切り役のメーカーの担当者が、あるメーカーに向かって「○○さんはここでこんな事してもらえますか」って頼むわけなんですけど、そのあるメーカーの担当者が「ちょっと自分は耳が悪いんでそれはできないんですけど」ってとても気弱そうに言うんですよ。そしたらその仕切り役の担当者が、ピシャッと彼に言い放ちまして「おたく、耳が悪いんだったらこのお手伝いに参加するべきじゃないんじゃないの」って。まるで「あなたは必要ない」みたいな事まで言われてましたね。

-:そこまで言われるんですか?

外回りも大変:その②

-:なんだかんだで今までそんなに意識した事は無かったですけどね。でも確かに言われてみるとそうかなっていうのがありますね。あとやっぱり最初に(耳が悪いと)言われてても、何回か会ってるとなんとなく慣れちゃって、さっきの話にも出ましたけれども見た目全然普通だからですね。「ああ普通なのかな」って思っちゃうんですよね。

難聴患者:そうですね。まあ家でもそうですよね。だから嫁さんでもそうなんですけれども、悪いって知ってても声が大きいとやっぱり嫌がるし、テレビの声をちっちゃくするし、「聞こえないじゃないか」って言ってもやっぱり、「そんなに悪くは無い」って相手としても普通に接してる。

-:うん。

難聴患者:まあそれもいいことではあると思うんですけれどもね。気にしないと思う。気にされすぎるのもやっぱり辛い。それが軽度難聴、伝音性難聴の辛さだと思うんですよ。自分の場合それに耳鳴りも入ってるから、それをいちいち全部「伝音性難聴なんで、耳鳴りなんで」って言うのも嫌じゃないですか、会う人会う人に。

-:ええ。

難聴患者:「ちょっと耳が悪いんで」っていうくらいに言っとけばいいかなって思うけれども、やっぱりこうやってあまりにも普通に話していると、みんなそのうちわからなくなる。「普通の人なのになんで?」って思っちゃう事も多いですよね。その辺がやっぱり辛い所ではあるけれども、まあ頑張っていかなくちゃいけないかなと。  

-:そうですね。

外回りも大変:その①

-:あと日常会話には影響ってあるんですか。仕事の上で差し障りがあるような。

難聴患者:仕事上の上司とのやり取りなんですけど、まあ普通の会話はできるんで上司でも別に気にしない人もいるんですけど、あまりにも神経質な上司だとあらかじめ「耳が悪いんで」って言うこともあるんですけど、そうしたら上司があまりにも気を遣ってくれて、一緒に得意先に行っても営業先に行っても「彼は耳が悪いから」って、商談に入る前からまず言っちゃう事が多いですよね。

-:ええ。

難聴患者:だから「耳が悪いんで大きな声で話してもらえますか」って行く先々で全部伝えてくれるっていうのもこちらとしてはちょっと辛いもんがある。

-:ああなるほど。それもちょっと困りますね。

難聴患者:そんなに悪い事はないんですよ。普通の会話は出来るんですけれども、そこまで気を使ってくれるのもかえって嫌な気がする。相手としても「営業なのになんでそんな人が来るのかな?」と思っちゃうじゃないですか。だから自分としてもみじめな気持ちになって、そうなると仕事もあんまり楽しくないですよね。上司としては親切な気持ちで言ってくれてるんでしょうけれども、やっぱりいい気はしないですね。

-:なるほど。色々結構大変ですね。こうやって聞いてると。

難聴患者:やっぱり仕事上での辛さってのは・・・キツイですね。

-:ですよね。特に営業だったらなおさらでしょうけど、人間関係が無い職場って無いですからね。

ゴルフも全然楽しくない

-:ほかにも困った事ってありましたか?仕事上で。

難聴患者:そうですね、あと屋外の場合ですよね。よく自分の仕事柄ゴルフとかに、よく接待ゴルフとかに行ってたんだけど、ゴルフの時も相手の人は大きな声であれば声も聞こえるんですけど、どうしても歩きながらの会話とか、自分が相手の左に立てるとは考えられないんで、だからどうしても汗かきながら、自分は接待で走りながら、いろんな事をしながらなんで、相手は軽く「2オーバー」とか「パー」とか言うんですけど、やっぱりそれも聞き取れないこともままあるんで、そういう時はちょっと接待ゴルフなのに緊張しなくちゃいけないという・・・辛いですね。ゴルフ楽しいはずなんですけれども、あんまり楽しくない。楽しんだ経験って言うのが無いですね。

-:ああ・・・。それは残念ですね。というかそれじゃ全然リラックスした雰囲気になれないですよね。
難聴患者:まあ楽しい会話の中で「何ですか?」って聞き返す事もできるんですけれども、そうしょちゅう出来ないのも辛いなと思います。まあ会社の中でするにはやっぱり上の上司の人はそれをわかってくれてる人もいたんで、自分が率先して相手にスコア聞いてくれたりとかしてるけど、でも実際ゴルフやったら自分が営業の先頭に立ってそういう事をしなくちゃいけないんですけど、なかなか難しい面もあるなと。

-:なるほど。それは確かに疲れますね。

難聴患者:ですね。とりあえずその辺りが辛かったです。

会議も大変:その②

難聴患者:それと後自分が進行役になる場合ですよね。40くらいになって自分が進行役になってきて会議を進める事もよくあるんですけど、そういった時今度は中会議室の後ろの方の人の声なんて聞こえないわけですよね。だから進行役なのに相手の声が聞こえないってなってくるのはとっても失礼なんですよね。だから「大きな声で話して下さい」っていうのも、それが相手が年上ならもっと失礼。悪いなとも思うし。辛い物がありますね。

-:ええ。

難聴患者:あと大ホールの場合。これも今までの仕事では大ホールでやった事もあるんですけれども、大ホールなんか結構マイクとか使うんで、マイクの声はよく聞こえます。

-:うん。

難聴患者:だからイベントとかもザワザワすると、大きな声とかは聞こえるんでそれは困らないんですけれども、大ホールでやってるにも関わらず自分達が主催してると後ろの方で、控え室とかで結構自分達のやりとりしなくちゃいけないんですよね。「次あの人に行ってこういう順番でいくから」っていう、そういうのはヒソヒソ話じゃないですか、進行役としては。だから裏方でのヒソヒソ話、隣同士の。それが聞き取れないんですよね。

-:なるほど。

難聴患者:だから同じ会社(の社員)ではある程度わかってはいるんですけど、違う支社の人なんかと合同でやる時なんか、向こうの人は僕の耳が悪いなんて思ってないからヒソヒソ話になるんですけど、それが聞き取れてないと。だからだんだん(向こうが)イライラしてくる。

-:ああなるほど。「じゃ次これで行きますね」みたいなやりとりが。

難聴患者:そうそう。「じゃ次これで」「え?」みたいな事になって来るとだんだん話すのがおっくうになってくる。それももう全部自分で進行しちゃう。

-:はいはい。

難聴患者:それでその会議が終わって、イベントが終わって後で上司から「お前あっちの部署でこんな事言って来たぞ。どうするんだ」ってなって来ると凄く辛いんですよ。
-:そうですね。そりゃ辛いですね。

難聴患者:それも結構辛いもんがあるなと。

会議も大変:その①

難聴患者:それと応接室のちっちゃな場合。室内の場合は結構聞き取りづらいんですけど、応接室なんか特にちっちゃいじゃないですか。だから得意先なんかに行って、応接室に行って自分達が座って相手も座ってから、商談が始まって色々話すんですけど、最初は大きな声で「最近どう?」みたいな感じでお互い大きな声で話すんですけど、商談になったら声ってちょっとトーンダウンするじゃないですか。それで本当に大事な重要案件になってくるとヒソヒソ話になって、ヒソヒソ話になればなるほど自分も聞き返さなくちゃいけないんですよね。だから重要な事を話しているのに聞き返す、その後また聞き返す。だんだんその・・・ムードとしてあんまり良くないじゃないですか。
-:そうですね。
難聴患者:だから自分も結構予想で言ってしまうんで、応接室がある商談とか結構苦手ですね。
-:なるほど。
難聴患者:次に会議室。説明とか会議とかよく10人くらいでやりますよね、会社とかって。そういう会議室での場合なんですけれども受け手として聞いてる場合、司会者の声とかはマイクで良く聞こえるんですけれども、マイクじゃない2~30人くらいのホールで司会が喋ってると、もうあんまり聞き取れないんですよね。
-:そうなんですね。
難聴患者:だからどうしても口元をずっと見てるし、まあそれだけで済むなら後で書類でも読めばいいかって思うんですけど、時々当てられる事もあるじゃないですか。2~30人くらいの会議だと。「君はどう思う?」とか「君この売り上げ悪いね」とか、色々あるじゃないですか。そんな時、自分は全く聞こえないわけですよね。

-:ええ。
難聴患者:だから相手は自分に質問してるのに、横の人に「今なんて言った?」っていう、凄くトンチンカンなわけですよ。

-:ははは。
難聴患者:「何だお前は」ってなってくるわけですよね。
-:そうですね。
難聴患者:だから結構会議とかって嫌なんですけれども、自分としては気が進まないんですけれども、前に座るようにしてますね(笑)。嫌な会議なんですけれども前に座るようにしてます。
-:ああ、なるほどなるほど。
難聴患者:それしか手が無いんですよ。だから上司としては「あ、真面目だな」って思っちゃうんですよね。上司の目の前に来てるんですよ。

-:そうですね。
難聴患者:よくそれは聞こえるんですよ。いつ質問されてもいいんですから。でも本人は別に気が進んでるわけじゃない。聞こえないからいいんですね。
-:それ余計に疲れますよね。
難聴患者:そうですね。だから会議って結構嫌でしたね。

入りにくい役員室

-:役員室で困る事っていうのもあるんですか?

難聴患者:役員室って言うのはよく商談に行く時、部屋持ってますよね、偉い人。重役にしても社長にしても。そこに入る時、やっぱり個室ですからノックしますよね。そのノックした時に相手は中から「いいですよ」って言われるじゃないですか。その時はもうノックしたら入っていくんですよ。中からの声聞こえないんですけれども、一応入っていくんですよね。だからドキドキしながらも入っていくんですけれども、たまに中でも商談中だったり中で大事な話してる事ってあるじゃないですか。その時もコンコンってノックしてそのまま入っていくから、自分としては、で「後からって言ったじゃないか」って怒られる時もあるんですよ。

-:ああなるほどなるほど。

難聴患者:2~3回ありましたね。

-:本当ですか、辛いですねそれ。

難聴患者:辛いですよ。だからオープンなオフィスって結構入りやすいんですよ、向こうから合図もされるし。個室の所で商談の為に行くっていうのは自分としてはドキドキしますね。今入っていいのかどうか。

-:ほおお。

難聴患者:ノックして向こうが「ダメだ」って言ってるのに入っちゃうことがあるんですよね。それは凄く辛いですね。怒られますね。笑って済ませられる事ではないですね。向こうとしては、真剣に話してるのになぜ入ってくるんだと思うから。そういうのが今までの人生で何回かありましたね。

-:やっぱり部屋持ってる人達だったら結構クラスが高い・・・。
難聴患者:結構それだけのもんがある。だから何のために部屋持ってるか考えなくちゃいけないですよね。人に聞かれたくないからこそ個室があるんであって、そこに勝手に入ってこられる事は非常に嫌だと思うんですよね。

-:いや、僕も想像してちょっと怖くなりましたね。なるほどなるほど。

商談が大変

-:そういえば○○さん(難聴患者の名前)、場所によって聞こえ方が違うみたいですよね。僕いつも「(会話する時)右側に回ってくれ」って言われますけれども。

難聴患者:あ、それは左耳の方が悪いんですよ。だから当然右耳が、軽度の難聴ではあるんですけれども右の方がいいんで、右から話しかけられた方がいいんです。だから人と話す時、自分が相手の左の方に立ちますね。そしたら右から聞き取れるって言うことで。これはもう程度の差って事ですけれどもね。それが後ろに回ると全く聞こえなくなるんで、よくそれは失礼に当たる事もありますね。

-: ああなるほどなるほど。

難聴患者:そして商談なんかで最後に「じゃあこれでいきましょうか」っていう時は軽く目で合図する時なんかはあるんですけれども、「じゃあいいですよ」って軽く言われる時なんか「えっ」って聞き返すんですよね。

-:ああ、なるほど。

難聴患者:それは凄い失礼なんですよ。向こうがそれでOKを出してるのに「今なんて言われたんですか」って聞けないじゃないですか。

-:ええ。

難聴患者:それで「いいって言ってるだろ!」ってなってくるから凄く相手も気分を害するし、買ってやってる、受けてやってるのにそういう聞き返すって言うのはできない。だからその辺は気を付けるようにしっかりと、真剣に聞いてますね。

-:なるほど。

仕事で困る事

-:日常生活にそれだけ不安があるっていう事は仕事に関してはもっと厳しいんでしょうね。仕事ってやっぱり失敗できない場面がすごく多いじゃないですか。

難聴患者:そうですね。仕事で耳が聞こえないって事が一番大きいですね。

-:本当ですか。

難聴患者:一番これが僕の困る事ではあるんですけれども、まあ仕事柄・・・営業なんで、会話が聞こえないから辞めるわけにはいかないんでこれが大変なんですけれども、まあいろいろあるんですけれども、やっぱりその最初に営業っていう仕事柄困るから相手に言うと、得意先に行って色々話した後戻ろうとした時に、後ろから声を掛けられる事もあるんですよ。「あっすいませーん」って言って声は掛けられるんですけれども、その後ろからの声って聞き取れないんですよね。

-:あっそうなんですか。

難聴患者:だから自分と話してて、目とか耳見てると何言ってるか大体わかるじゃないですか。だけど後ろから軽く普通の声で「すいません」って声かけられてもそれは自分には聞こえないんですよ。

-:ふむ。

難聴患者:大きな声で言われればそれは当然聞こえますよ。でも普通の声で「すいません」って言われれば聞き取れないんですよ。だから僕としてはそのまま行っちゃうんですけれども、相手としては「何で行っちゃうのかな」と。

-:それは困りますよね。

難聴患者:「呼び止めてるのに何で行く?」って思うじゃないですか。だからよく得意先に行って、後ろから走って付いてこられることがありますね。

-:ははは。

不便なテレビや音楽の試聴

難聴患者:あと、他にはテレビなんか見てて家族からも「テレビの声が大きい」って怒られる事もあるんですけど。

-:そうですね、○○さん(難聴患者の名前)が時々ラジオをパソコンで聴いてる事ってあるじゃないですか。「ああ音大きいな」って思いますもん。

難聴患者:それが僕にとって普通なんですよね。

-:そうなんですか。

難聴患者:家でもテレビでも(僕にとっては)普通なんですけど、みんながずっと音量を絞るんですけど、絞られたらもう何にも聞こえないです。

-:ヘッドホンとか付けると聞こえるんです?

難聴患者:そうです。だから耳に付ける物に関しては何にも問題ないんですけど、やっぱりこれは耳にとってあんまり良くないんで、なるべくしたくないんですよ。

-:なるほど。

難聴患者:だからこの原因にも寄ってくるんですけど、入院中ずっとイヤホンしてたんですよ、隣の患者さんの迷惑になるんで。それも良くなかったかなと思いますけれども。

-:そうだったんですね。

難聴患者:あと歌手によっても、エンヤって言う歌手知ってます?。

-:ああ、知ってます知ってます。

難聴患者:あの人の声って何も聞こえないんですよ。

-:本当ですか。

難聴患者:何にも聞こえない。

-:ああ、高すぎて逆に駄目っていう事ですか?

難聴患者:何でですかね。女性の声でもあまりにも高音なんでしょうね。だからよく嫁さんとかCD持ってきて聞くんですけど、音楽のバックミュージックは聞こえるんですけど、声に関しては「ああこんな超高音っていうのも自分には聞こえないんだな」って言うことに気がつきましたね。超低音とか超高音、その辺は聞こえにくいってのはあります。

-:ふ~ん。

耳元スピーカー

難聴患者:ちょっと話は変わるんですけれども、僕も今重宝してる物があるんです。テレビの音を聞くのに「耳元スピーカー」って言う物があるんですけど、これは結構便利でいいですよ。
-:それってどういう物なんですか?

難聴患者:テレビ用の小さいスピーカーでコードの長さが5メートルくらいあるんですけど、自分の前だけにそれを置けば、家族の他の者は普通の音が聞こえてるんで、そこからでも普通に音は聞こえるし。僕の場合は遠くからの音って聞き取れないんですよ。

-:あっそうなんですか。さっき「テレビの音がうるさい」って話が出てましたけど、そういう事だったんですね。
難聴患者:同じ大きさでも音の発信音が近くだったら凄く聞こえる。だからスピーカーの音が良く聞こえるのと一緒で、耳元にちっちゃなスピーカーさえあればよく聞こえる。

-:なるほど、それはいいですね。
難聴患者:だからこの耳元スピーカーっていうのを見つけてとっても役立ってますね。

-:それってどれくらいする物なんですか?
難聴患者:まあこれが二千円くらいなんで、まあ壊れてもすぐ買い換えられるし。家族がコードで足を引っ掛けて床に落として壊れるって事がよくあるんですよね。
-:そうなんですね。
難聴患者:今これのコードレスが欲しいんですけれども、コードレスの耳元スピーカーは高い。2~3万になっちゃう。
-:ああなるほどなるほど。

難聴患者:ここまで来るとちょっと贅沢かなって思っちゃうんで。なんか耳元スピーカーは無いかなって今探してますね。

日常会話の聞き取り:その③

難聴患者:あと困るのが、家族とかどこでもそうなんですけど、食べながら、食事しながらの会話っていうのは聞こえない。耳の悪い人ならわかると思うんですけど、聞こえないんですよ。口に物が入っちゃうと内耳とか中耳とかが塞がれるんでしょうね。聞こえないんですよ。だから会話中の食事って嫌いなんですよね。

-:なるほどなるほど。○○さん(難聴患者の名前)が食べてる時に、(耳の中の)何かが塞がれて聞こえなくなるって感じですか?

難聴患者:そうそう、たぶんそうだと思う。だから食べてる時に自分がクチャクチャしてる音は良く聞こえるんです。だからたぶん耳の悪い人は自分で喋ってるけども、相手に伝わってないと思う。自分ではわかるんですよ、脳の中で喋ってるから。だから口の中に物が入ってしまうともう物の音が耳の中に入ってこない。だから食べながらのテレビ見ながらとか、凄く大きな声になっちゃう。だからどうしても家ではテレビの音が大きくなっちゃうんで、よく家族からは「うるさい」って言われますけどもそれが苦しいですね。夜の楽しい団らんのはずじゃないですか。本当だったら。

-:あと食後には何か不都合はありますか?

難聴患者:食後には自分達が食べ終わって、自分達が食べ終わったのを、嫁さんが後ろの方で流して食器洗いますよね。ジャーっと水出しながら洗うんですけど、その「ジャー」って言う音は本当に良く聞こえるんですよ。音として凄く良く聞こえるんですよ、自分としては。だから自分の伝音声性難聴っていうのは、その音は良く拾うんですけど、肝心のテレビの音とか会話の音を拾えなくなっちゃうんですよね。

-:なるほど。

難聴患者:だから後ろの方でジャーッという音が聞こえちゃうと、もうテレビの音が聞き取れなくなっちゃう。聞こえてはいるんですけど聴き取れないんですね。だから雑踏の中で話すのと一緒で、大きな音があるともうその音に消されちゃう。聴き取ることが出来ない。

-:ええ。

難聴患者:それが一番難聴の、伝音性難聴の苦しい所かなと。

-:って言う事はやっぱり騒がしい所は苦手なんですかね。

難聴患者:そうですね。

日常会話の聞き取り:その②

-:話が聞こえなくても結構身振り手振りで(会話の内容が)よくわかるじゃないですか。「ああそうですね、楽しいですね」って言っとけば会話になる事ってあるじゃないですか。でもそんな事も何も表情に出さない人って、まあいまウチの会社の上司にもそういう人っているんですけど、目も動かない口元も動かない、そんなんだと何も僕わかんないんですよ、正直言って。何言ってるか話の雰囲気すらわかんない。

難聴患者:なるほどなるほど。

-:例を挙げると病院に行く時ですね。マスクをしてるお医者さんなんか特に話が聞こえないです。向こうとしては患者に色々言ってるんでしょうけど、何言ってるかわかんない。

難聴患者:うん。

-:看護士さんとかが「わかりましたか?」って言うんだけど、「いやわかりません」となってくるんですよ。仕方ないから看護士さんが僕に話してくれる、そういうことが多いですね。

難聴患者:なるほど。

-:あと、太ってる人っていうのも声が聞こえにくいんです?

難聴患者:ああ、太ってる人っていうのは結局喉が大きくて、声帯が太いじゃないですか。だから結局太くてこもってるから僕にとっては何も聞こえないですね。

-:なんかこう「ウーウー」っていうような感じですか?

難聴患者:ええ、お相撲さんの声なんか、テレビのお相撲さんはマイクを通して聞こえるけど、お相撲さんっぽい人ってよくいるじゃないですか。そういう人は結構僕聞こえないんですよ。

-:ええ。

難聴患者:喋ってる事は聞こえるんですけど、あまりにも低音で聞き取れないですね。

-:そうなんですね。

日常会話の聞き取り:その①

-:やっぱり人によって会話が聞き取りやすい人と、そうでない人っているんですか?

難聴患者:そうですね、やっぱりありますよ。一番僕が助かるのは大声の人と話す事。そういう人は大声で話してくれるし何も困らないんですよね。

-:うん。

難聴患者:反対に困るのは声の低い人。声の小さい人じゃなくて声の低い人ですね。僕の場合「伝音性難聴」って言って、低い声の人って聞こえないんですよ。

-:ああ、はいはい。

難聴患者:だから声の低い人と話す時には、相手の口元を見るようにする。

-:うん。

難聴患者:聞こえないんじゃなくて、口元を見る事によって(相手が何を言っているか)大体の予想が付くんですよね。

-:ええ。

難聴患者:そして大体の喋ってる事と、口元を見る事によって話の内容の予想を立てて話します。そういってあんまり口元ばっかり見てると今度は相手が不信感を持つ。「なんでこの人口元ばっかり見て目を見て話さないんだろう?」って思われる事もありますね。

-:なるほど。

難聴患者:だからそういう所を気をつけるようにしてるし、結構声の低い人っていうのは何事においても・・・地位の高い人だったり、偉い人だったりする事があるんで・・・。

-:結構年のいった方、恰幅のあるような・・・?

難聴患者:ですね。そんな人が多いんでそういう時は困ります。あと声の小さい人は当然聞こえないんですけど、声も小さくて口元もあまり動かない、表情もあんまり無い人だと僕も辛い時があります。

-:ああ、なるほど。

日常生活で困る事

-:今まで話を聞いてきて感じたんですけど、日常生活において困る事ってやっぱりあると思うんですよね。やっぱり聞き取りが不自由だといろいろあるんじゃないですか?

難聴患者:そうですね。やっぱり難聴ですから、ケガとかじゃない、人から見えないじゃないですか。自分しかわからない、だから困る事って結構たくさんあるんですよ。

-:ええ。

難聴患者:本当のケガをして包帯とか巻いてれば、「大丈夫ですか?」って気にしてくれるじゃないですか。でも難聴とかって本人しかわからないんで。

-:そうですよね。僕も今こんな話聞いて初めて知りましたよ。正直びっくりしてます。

難聴患者:そうです。だと思うんですよね。僕も自分で難聴になってみて、初めて「ああこんなに辛いんだな」ってのがよくわかりました。目とか見えない人だったら(目が見えない人だと外見でわかって)「大丈夫ですか?」って言う風になるんですけど、耳が聞こえない人って本当に見た目普通の人なんですよ。

-:ええ。というか普段お付き合いしていて(耳のことは)ほとんど意識してないですよ。

難聴患者:ですよね、一見普通の人だから「なんで(会話が)理解できないだ!」って怒られる事もよくあります。

-:本当ですか。

難聴患者:本当にそこまで言われることもありますよ。

-:なるほど。こういう風に(耳に手を当てて)「はあ?」みたいな事をすると・・・。

難聴患者:そうそう。「馬鹿にしてるの?」って言われますよ。

-:なるほど。そうですよね。

難聴の原因:その③

-:他には何か思い当たることってありますか?

難聴患者:この頃よく子供とお風呂に一緒に入るんですけど、ふざけて頭までお湯の中に浸かって、耳までお湯に入ると翌日から少し耳の調子が悪くなって、結局耳鼻科に行ったこともあります。細菌が耳から入ったのか中耳炎っぽくなってましたね。

-:そんな事でも中耳炎になるんですか?

難聴患者:そうですね、生活上こんなちょっとした事でも耳に関しては注意していかなくちゃいけないのかなって思いましたね。

-:ストレスとかの関係もあるんですか?

難聴患者:自分の場合なんですけど、結構人前であがるほうなんで、あまり緊張しすぎると周囲の音が聞き取れなくなって、極度の緊張状態になるともう耳に栓したみたいになってしまいます。こんなことの繰り返しも難聴や耳鳴りの原因になっているのかもしれませんね。

-:ここまで話を聞いてまして、耳鳴りや難聴の原因というのは最初は神経から来ているものかと思ってたんですけど、外傷から来ている事の方が大きいみたいですね。

難聴患者:そうですね。自分の様な伝音性難聴っていうのは外耳から中耳の障害が原因なんで、そこに外傷を受けたりそこから内耳にうまく音が伝わっていない事が原因と考えられているので、治療できないこともないわけですね。

-:一般的な原因としては老人性難聴が有名ですけど、そういう事ではないわけですよね。

難聴患者:老人性難聴は三分の二の老人でなるんですけど、それはあくまで加齢として人間として避けては通れないわけで、もうそうなってしまうと補聴器とかのお世話になった方が無難でしょうね。

-:そうですよね。

難聴患者:あとイヤホンで音楽を聴く習慣も決して耳にはよくないと思いますね。自分の場合も20年前くらいの入院生活で1年間ずっとイヤホンでテレビ見たりラジオ聴いたりしてましたから、それも今の難聴や耳鳴りの原因の一つだと思います。

難聴の原因:その②

-:他にも趣味でスキューバダイビングもやってたって聞きましたけど、その辺も何か関係があるんですかね。

難聴患者:そうですね、スキューバダイビングも昔はよくやってましたね。こう見えても実はライセンスも持っているんですよ。まあそれは置いといて、ダイビングでの気圧の変化も自分の耳には良くなかったと思いますね。ダイビングで1メートル潜ると1気圧の加算されるんですけど、よくみんな観光で体験ダイビングとかされると、皆さん大体10~20メートルくらい潜ります。で、これは体験してみるのが一番だとは思うんですが、海底に着くまでに何回か耳抜きということをしなくてはいけないんですけど、これが初心者にとってはできないこともあるんですね。

-:「耳抜き」って何ですか?

難聴患者:「耳抜き」っていうのは潜水した時に、気圧に負けない様に息を鼻から押し出す事なんですけど、普通だったらグッとつばを飲み込めばそれで耳抜きは完了なんですが、海の中に入って気が動転してしまうとうまくいかないこともあるわけなんですよ。

-:なんか難しそうですね。

難聴患者:慣れてしまえばなんてことないんですけど、その耳抜きがうまくできていないとなかなか海底にまでたどり着けないっていうか、それ以上潜れないでしょうね、耳が痛くて。

-:耳栓とかはしないんですか?

難聴患者:スキューバダイビングでは耳栓はしません。耳栓なんかしちゃうとかえって気圧で耳栓が耳の穴を圧迫してどうしようもなくなります。

-:なるほど。

難聴患者:それからこのスキューバダイビングで使う「エアー」っていうのがあって背中にタンクを背負って潜るんですけど、このエアーをダイビングの度に吸っていましたからノドも結構やられてましたね。知り合いのインストラクターやダイバー仲間は必ずといっていいくらい、声がしゃがれて(かすれて)ました。みんなこのエアーのせいだと思いますけど、よくダイビングした後は喉が痛くて、そのまま風邪をひいたような状態になってた事もしょっちゅうでしたね。

-:耳にはあまり良くなさそうですね。

難聴患者:そうですね。この趣味でやっていたスキューバダイビングも自分の耳にとっては本当によくなかったと思いますね。15年くらい前は毎月2 ~3 回潜ってましたからね。それから10年間は全く潜ってないので耳も良くなるかなって思ったんですけど、全然そんな事ないですね。

難聴の原因:その①

-:そもそも難聴の原因というのはどんな事なんですか。

難聴患者:自分の場合、やっぱり一番大きな原因としては、25歳くらいの時に大きな事故(交通事故)に遭ってるんでそれが原因だとは思います。一番大きな怪我としては脳挫傷ですね。強く頭に衝撃を受けてかなりの出血があったんですけど、その事故の後に耳鳴りが始まって聴力も弱くなったんですが、お医者さんからはそれでも「原因は頭の中を開けて調べなくてははっきりわからない」って言われました。

-:なんだか冷たいですね。

難聴患者:そうなんですよね、因果関係がはっきりしないことには事故が原因で難聴・耳鳴りになったとは言えないということらしいです。

-:そうですよね、何か原因がないと難聴とか耳鳴りにならないですよね。

難聴患者:まあ大元の原因はその事故だとは思うんですけど、結局その後も風邪をひいたりして何回も中耳炎っぽくなりましたし、その辺もあるのかなと思いますね。つい最近も風邪がずっと治らなくて、鼓膜の中に膿かタンが溜まってしまってどうにも聞こえが悪くなったんで耳鼻科に診察に行きましたし。

-:そうなんですね。

難聴患者:あと事故をしたのが15年くらい前になるんですけど、その事故の後に就職してから月に2回の往復、つまり4回毎月飛行機に乗って遠くに出張に行ってたんですけど、飛行機の気圧変化って自分のように耳に敏感な人間にとっては結構厳しいものがあるんですよ。だからその時の飛行機での気圧の変化も耳にとってはあまり良くなかったみたいですね。

-:気圧の変化ってどんな感じなんですか?

難聴患者:登山や近くの小高い山でもいいんですけど、段々上がって行くにつれて耳がツーンとしてくるじゃないですか、あんな感じですね。当然飛行機ですからあのツーンが短時間で数回あるわけです。
-:何となくわかるような気がします。

難聴患者:耳がいい人でさえ結構衝撃があるんだから、自分のような耳の弱い人間にとってはかなりの負担だったんだろうなと思いますね。

鼻と耳の関係

-:風邪引いたりして鼻づまりになったりするとやっぱり大変なんですか?

難聴患者:生活の上でのちょっと困る事でもあるんですけど、誰でも風邪ひいたりすると鼻が詰ったりとか、のどにタンが詰まったりとかすると思うんですけど、自分の場合なんですけども、風邪なんかひいちゃうとすぐ耳と鼻に影響が出てしまうんですよね。自分もすぐ中耳炎っぽくなってしまうんですけど、だから風邪はなるべくひかないようには気をつけてはいるんですけども、どうしても毎年一回二回はひいてしまいますよね。

-:それが普通じゃないですかね。

難聴患者:実は今も風邪をひいてまして、少し聞こえ方としては鼻声っぽく聞こえていると思うんですけど、自分の場合この鼻の奥の副鼻腔という所に、鼻水に似たようなタンみたいな物がすぐ溜まってしまうんですよね。この現象っていうのが自分にとっては凄く辛いんですけど、こうして話していても自分の脳の中で自分の声がこもっている感じがするんですよ。多分聞いている方もそう聞こえていると思うんですけど、少し聞きづらいんじゃないかと気を遣ってしまって嫌になるんですよ。

-:そこまでは変には聞こえていませんけどね。

難聴患者:それならいいですけど、毎年風邪の季節になると風邪をひかないように、たとえひいても悪化しないように気を付けてはいるんですけど、毎年ひいてしまって、なんかいつも耳にきてしまってハラハラしどおしですね。

-:そんな時はどうやって気をつけているんですか。

難聴患者:どうしても鼻水が出るんで、鼻をかむときは極力強くかまないように、そおーっとそおーっとかみますね。たまに勢いよく強くかんでしまうときもあるんですが、そんな時、鼓膜がツーンと来て一瞬ヒヤッとします。

耳鳴りの原因

-:それで20年耳鳴りと付き合ってきたんですよね、原因とかはわかってないんですか。

難聴患者:一説には内耳の周りの脳血管の血流の障害ではないかとも言われてるんですけど、はっきりしたことはわからないです。人それぞれ原因は違ってくるものなのかもしれないですけど。

-:「治療法は無い」ってさっき言われましたけど、やっぱり何かないですか。

難聴患者:これが治療法かどうかは別にして、TRT療法と言って「耳鳴り自体を気にしない事」これが治療法だと紹介しているところもあります。実際自分にとってはこの療法が一番効果的だったことは事実ですね。今まで20年間、自分もいろいろな所に転勤して、いろいろな病院にもかかりましたけど「耳鳴りは治りません」とキッパリお医者さんからも言われた事もあります。ときどき漢方らしき物を処方してくれる所はありましたけど、自分にとっては何の効果も無かったですし。

-:そうなんですね。

難聴患者:薬といっても血流をよくするものだとか、体調そのものを回復させるものみたいな物で処方を受けたことはありますけど、結局耳鳴りそのものを治す薬はないと思った方がいいと思います。確かに薬辞典かなんかで調べると、適応が耳鳴りとなっている薬も無いわけじゃないんですけど、効果の程は定かではないと思います。

-:それじゃ結構慢性的な感じというか、基本的には耳鳴りを受け入れていく方向で考えた方が良いという事ですよね。

難聴患者:そうですね。そういう事になると思いますよ。というか何か良い治療法があれば教えてほしいです。

耳鳴りの種類:その②

-:もしかして今も耳鳴りって聞こえてるんですか。

難聴患者:そうです。今この時間もずっと聞こえています。

-:そうなんですか?本当に?

難聴患者:ええもうずっとですよ。これはもう諦めてます。

-:耳鳴りがそんなに続くって言うのは辛いですね。

難聴患者:もう慣れましたけどね。で、3つ目は「シャーシャーシャー」っていうような、心音というか血管を血液が流れるような音っていえばわかりますかね。それは夜床について寝る前に静かになってくるとわかりますね。

-:3つの耳鳴りが一緒に聞こえたりっていう様な事は無いんですか。

難聴患者:それはありますよ、程度の差こそあれ聞こえているような気がするんです。耳鳴りは本人にとっては本当に聞こえてはいるんですけど第三者にどう伝えたらいいのか、本当に辛いですよ。

-:それは凄く辛い事ですよね。

難聴患者: もう耳鳴りも20年近く付き合ってきてますけど、最初に耳鳴りになった頃は本当に気が狂いそうでしたね。でも「もうしょうがないか」って開き直ってからは自分の体調のバロメーターの役割もしてますね。耳鳴りがひどいときは体調がよくない時や疲れすぎている時、耳鳴りが気にならない時は体調も結構いい時なんだなって思う事にしてます。

-:耳鳴りがずっと続いているという事ですけど、耳鳴りが良くなった時っていうのはなかったんですか。

難聴患者:この20年で一度だけ、朝起きたら耳鳴りが止まっていた事があったんですよね。「ああこの感覚、耳鳴りが無いってこんなに世の中静かなんだなあ」って思った事がありました。「神様お願いです、このまま耳鳴りを治してください」ってお願いしましたからね、あの時は。でもそんな時って一瞬なんですよね。次の日朝目が覚めたらまたいつもの耳鳴りが戻ってきてました。

-:そんな事もあったんですね。

耳鳴りの種類:その①

-:僕の場合は「キーン」っていうような高い電子音(の様な音)がしたんですけど、耳鳴りの聞こえ方というのにはどんな物があるんですか。

難聴患者:電子音っていう事ですけど普通そうなんじゃないですか。他の人の耳鳴りを聞いた事も無いですし聞くこともできないですけど、自分の場合は大きく3種類あります。「ウォーン」っていうような、遠くでサイレンが鳴っているみたいな音なんですよ。本当によく間違えることありますよ。

-:そんな聞こえ方なんですか、なんとなく雰囲気わかりますよ。

難聴患者:よく家で「今サイレン鳴ってるよね」って聞くと「そんなもん鳴ってないよ」って言われます。結構疲れてる時に聞こえることがあるんですけど、本当によく間違えますね。自分の今住んでいるところには近くに大きな川が流れていて、上流にはダムもあるんでよく放水のためのサイレンとかが鳴るんですけど、全く区別がつかないくらいですからね。朝とか夕方とかになる合図としての、定時のサイレンじゃないんで自分ではわからないくらいです。あと、火事の時に鳴るあのサイレンですよね、近くなら自分でも区別がつくんですけど、数キロ離れた町のサイレンとか火事ではよく聞き間違えます。

-:そうなんですか。

難聴患者:それから2つ目は「キーン」っていう高い音の耳鳴りですね。まさに聴力検査の時に聞くあの高音の「キーンキーンキーンキーン」っていう音の連続。いつも定期検診がある時に聴力検査もするんですけど、検査をする前に「自分は少し耳悪いですから」と前置きしてから検査を始めるんですけど、「始めていいですよ」って言うと「もう始まってます」って言われる。あの検査の時の高音を他の音と変えて欲しいくらいですね。全く自分の耳鳴りの音と一緒なんですよ。検査のヘッドホンを外しても(耳鳴りが)聞こえてるんですよ。

耳鳴りの始まり

-:○○さん(難聴患者の名前)は耳鳴りにも悩まされているって聞いたことがあるんですけど、一体耳鳴りってどんな物なんですか?実を言うと本当は自分もたまになる事はあるんですよ。本当にたまになんですけど凄く疲れた時なんかに、高い音とでもいうんですかね、時報のような感じだった様な気がします。
難聴患者:そうなんですか。まあ誰にでもたまにある症状ではあるんですけどね。自分も難聴になる前、(聴覚が)正常だった頃でもなった事あります。やっぱり疲れ過ぎた時や徹夜した時、二日酔いの時なんかたまに「キーン」と耳鳴りがしたこともありましたからね。その時はすぐ治りましたけど、まあそれが普通だと思うんですよ。今日は難聴の話ではあるんですけど自分の場合耳鳴りを伴っているし、難聴と耳鳴りは切り離せない話題でもあるので、ここでは耳鳴りの事についても触れておこうと思います。
-:耳鳴りはどういう状況で聞こえ始めたんですか。
難聴患者:耳鳴りが始まったのは20代後半の、ちょっと大きな事故(交通事故)の後なんですけど事故の後寝た切りの状態が長かった、そんな状況の中でこの耳鳴りという症状が始まり初めたんですんね。病院では夜の消灯時間も早くて、静かな時間が流れる状況での耳鳴りというのは結構疲れるんですよ。そんなわけで、耳鳴りが始まった当初はいつもイライラしてました。
-:それは大変でしたね。
難聴患者:本当に毎日イライラしてましたね。そんな時看護師さんから「耳鳴りというのは現代の医学では治らない物なので諦めるしかない。耳鳴りとこれから一生付き合っていかなくてはいけないんだから」って言われて、それでなんか自分も吹っ切れて「もういいか」って思うようになってからちょっとは楽になりましたけどね。

難聴の種類:その②

-:それじゃ突発性難聴とはどういう物なんですか?
難聴患者:これはよくテレビなんかでも耳にされることもあるんじゃないかと思います。芸能人なんかで、朝起きたら突然耳が聞こえなくなっていたとか、ネットなんかでも騒がれていた時期もありましたよね。症状としては、軽いめまい、耳鳴り、耳の詰まった感じ閉塞感とでも言うのかな。当然聞こえも悪くなっていますよ。原因もいろいろあるとは思うんですけど、やっぱり過労、ストレスが主な原因だと言われています。症状としてはあまり重篤ではない代わりに治りも早いです。
-:そんなに早く治るんですか?
難聴患者:そうですね、突発性難聴というのは突然なるんですけど治りも早いです。原因が過労ストレスなどだから、その原因さえなくなれば治ります。
-:3つ目の感音性難聴とはどういう物なんですか。
難聴患者:この感音性難聴というものが一番重症なんですけど、耳には「外耳」「中耳」「内耳」があるって言いましたけど、この感音性難聴というのはその「内耳」、つまり聴覚神経に障害がある事が多く治す事も難しくなってきます。特徴としては高音が聞こえにくい、補聴器を使ってもあまり効果がないということがあります。つまり音を聞くための神経に障害があるので音の大きさには関係なく聞こえないっていう事です。だから感音性難聴というのは脳に障害がある事なので結構重症だと思ってもらって良いと思います。
-:なるほど、よくわかりました。

難聴の種類:その①

-:難聴でも人によって違うと思うんですけど、具体的には難聴ってどういう種類に分けられるんですか?
難聴患者:大きく分けて「伝音性難聴」「突発性難聴」「感音性難聴」と3つに別けられます。自分の場合が伝音性難聴に当たるんですが、耳には「外耳」「中耳」「内耳」ってあるんですけど、外耳ってのは外に触れている部分、耳たぶなんかですね。中耳っていうのは耳の穴、通路みたいな所ですね。そして内耳、そこは鼓膜より内側の蝸牛や三半規管などの耳の大事な器官がある場所です。伝音性難聴ってのは、外耳、中耳、つまり音を外から拾って神経に伝える通路器官の障害なんです。神経には異常はなく、治癒する可能性もないわけではないです。原因が中耳炎などの中耳の器官の障害からなることが多いので、その中耳炎が治れば治ることもあります。
-:もうちょっとわかりやすく説明してもらえませんか。
難聴患者:例えて言うならちょうど耳栓をしている状態だと思ってもらってもいいと思います。つまり聴力検査なんかでも聴力は弱いのに、もう一つの聴力検査とでも言うべき、振動検査ではよく聞こえるんですよ、不思議な事に。
-:なるほど。耳栓をしてる状態だから聴力検査では音が聞こえないけど、振動検査では振動を感知できるんですね。
難聴患者:そうですね。だからまさに外耳と中耳の器官の障害、つまり耳栓をしている状態であって、耳栓さえ取れば普通に聞こえていると思ってもらっていいと思います。その耳栓がなかなか取れないからちょっとイライラするんですけどね。

人の聞こえる音の大きさ

-:音の大きさについて教えて欲しいんですけど、音の大きさってどういう風に分けられるんですか?普段の生活なんかで教えてもらえるとわかりやすいんですけど。

難聴患者:自分も難聴になっていろいろ調べたりはしているんですが、日常の中で例えるとわかりやすいので例を挙げると、騒がしい大きな声などが大体100デシベルだと言われています。運動会や人混みの中、とにかくうるさい所なんかですね。それから普通の声、例えば日常会話、話し声なんかですね、これが60デジベル、家庭内の家族の会話なんかもそうですね。そして少し小さいささやき声なんか、たとえば、会議中や映画館での隣の人とのヒソヒソ話、これなんかが20デシベルくらいだと言われています。

-:それじゃあ、難聴の人の聞こえ方のレベルというのはどれくらいの物なんですか?例えば正常な人のレベルはどうなんですか。

難聴患者:正常な人というのは、30デシベル以下でも聞こえるのが普通です。だから、20デシベルのささやき声なんかも少し注意して聞こえるわけなんですね。

-:なるほど。

難聴患者:軽度の難聴の人になると30デシベル以下は聞こえないんですよ、だからささやき声なんか、20デシベルだからちょっと聞こえない訳なんですね。自分の場合もこれに当てはまるんですけど、ささやき声とかヒソヒソ話なんて聞き取れないですね。「エッ何?」とか聞き返すもんだから全然ヒソヒソ内緒話になってこないわけなんです。だから相手の方も長く付き合ってくると(耳が悪い事情が)わかってきて内緒話もしなくなってきちゃうんですね、ちょっと寂しいですけど。

-:ああ、それちょっと辛そうですね。

難聴患者: で、中度難聴の人は大体50-70デシベルくらいまでは聞こえます。例えば1m範囲内の声とかですね。でも騒がしいところでは聞き取りにくいと言われてます。高度難聴の人の聴取範囲は70-85デシベルくらいかな。救急車のサイレンなら聞こえると思ってもらっていいと思います。重度難聴の人になるともう85デシベル以上じゃないと聞こえないらしいです。つまり日常生活ではほとんど何も聞こえて無いレベルと思って差し支えないと思います。こういう風な大きな難聴のレベルの分け方がありますね。

-:デシベルっていうのはどういうものなんですか。

難聴患者:聴力の聞こえる単位として理解してもらえればいいと思います。数値が小さいほどよく聞こえているという事です。

「聞く」と「聴く」の違い

-:僕は耳が良いからよくわからないんですけど、○○さん(難聴患者の名前)は難聴で耳が悪いという事なので、今日は難聴の事について少し話を聞きたいと思います。よろしくお願いします。

難聴患者:難聴のことを説明する前にですね、まず知って欲しいことがあるんですけど「聞く」と「聴く」の違い、つまり見聞の聞くと視聴の聴くの違いですね、これを説明したいと思います。

-:同じように思えるんですけど、それが何か意味があるんですか。

難聴患者:まず見聞の「聞く」なんですけど、その意味は音が耳に入る、感じる、つまり物音が単に聞こえるということなんですね。人はあまり聞こえることを意識しない時、例えば屋外での大声での雑談や声の高い女性、居酒屋での大声での雑談、公園での子供たちの笑い声、映画館での大音響、拡声器やマイクを使った集会、などなどすべて意識しなくても耳に入りますよね、それが聞こえるということなんです。
-:では視聴の「聴く」の方はどういう事なんですか。

難聴患者:こちらの「聴く」の意味を本当はわかってもらいたいんですけど、辞書なんかで調べてもらうとわかると思うんですけど、注意して耳を傾ける「聞き入れる」と言うことなんですね。例としては「名曲を聴く」「有権者の声を聴く」などのように使うときには視聴の聴の字を当てますが、それはその音を理解して聴くと言うことですよね。だからそれは音が聞こえるだけじゃなくて、頭の中でその音が理解できていることなんです。それが視聴の聴の聴くという字を使う時なんですね。

-:ええ

難聴患者:自分もこの視聴の聴くと言うことを知って、やっと聴く力をつけることが大事なんだということがわかってきたんですけども、自分の場合は聴力が弱いというだけでなくて常に耳鳴りもあるんで、聞こえてはいるんですけども耳鳴りが音を邪魔してる。つまり、音は聞こえてはいるんだけれども、何を言っているのかとかその音の意味を理解できていないというその辛さがあるんですよ。自分の場合軽度の難聴なんですけども、音は聞こえてはいるんだけれども、意味が理解できていない、聴こえていないという事を、耳が聞こえていることが当たり前のように思われている正常な方達にもわかってもらえたらいいなという事で今回話す気持ちになりました。

-:意識して聴いているということなんですけども、やっぱり聴くことに意識というか注意しなくてはいけないんですか。

難聴患者:そうです。聴く事に、聴こうとする事に意識を集中してしまうので凄く疲れるんです。
-:そういうものなんですか。

難聴患者:単に動物の声とか、車の音を聞いているだけでは何も疲れないんですね。やっぱり人の意見とかを聞く時には、すごく集中して聴かなくてはいけなんですごく疲れますよ。しかも大事な場面になるとあがるし、商談なんかでも相手の語尾のイントネーション一つでも聞き逃すまいとして凄く神経を使うし、汗びっしょりになります。

-:ああなるほど。仕事の時なんかはとても大変なんですね。